さて、続いては、産業の視点から考えをまとめています。

まずは、ホスピタリティ産業についてですが、ホスピタリティを実際に行い商売などをしているものをホスピタリティ産業と言います。これが国内で基本的に行われているのは、宿泊業・運輸業・旅行業などをはじめ、教育、医療、福祉なども当てはまります。これらはすべて人対人という関係の職種になります。

サービス業といえば、ファーストフードやコンビニなどシステム化されたものをまず考えることが多いです。均等な内容をすべての人に平等に提供することがサービスの基本でした。これをするためには、それぞれのサービスの基本的なマニュアルを作り、効率的に業務を行っていきます。

これに対し、これからの飲食店やホテルなどは、マニュアルに基づくサービスを提供するのではなく、お客様一人一人の異なる要望に対応することが重要で、相手によって提供するサービスが異なることを意味します。このような対応をホスピタリティといいます。しかし、それぞれのお客様に感動を与えるのはとても難しく、もしかしたら他のお客様に不信感を持たれてしまうのでは?と考えることもあります。とあるホテルチェーンの総支配人の方は「マニュアルを超えたサービスを提供できるかどうかは、サービスを提供する者の属人的な技法に存在する部分が大きい」とおっしゃっています。また、ホスピタリティは「おもてなし」ということですが、日本では「おもてなし」はとても大事な精神の一つとされています。このことからホスピタリティの考え方は日本人にとてもあったやり方なのではないのかと感じています。

【参考文献】

 「実践 ホスピタリティ・サービス」著:(株)日本コンサルタントグループ フードサービス&ホテル研究室

 

「ホテルのサービス・マーケティング」著:高月璋介、山田寛 

 

「サービス・マネジメント サービスの向上の理論と実際」著:前田勇、作古貞義 

 

「サービス・マネジメント」著:リチャード・ノーマン 

 

「サービスからホスピタリティの時代へ」  野村総合研究所

サービスとホスピタリティの違い